今年2017年の春、まだベトナムにいて、ネットで日々、次の仕事を探していたころ、ソッコーで応募するのを辞めた求人がある。それは募集要項に
「手書きの履歴書をスキャンしたものをメールでお送りください」と書かれた某国の学校。
ファッ?・・・手書き?? ・・・ はい、終了、次の学校。と、ちょっと思い立ってマウスを止めてもうちょっとちゃんと読み進めてみると今度は
「未経験者でも、最低6か月は教案指導・授業見学をしてサポートをしますので、ご安心ください。」 とのこと。
ハーッ、また来たー。化石やーー。
教案指導・・・ 授業見学・・・ 最低6か月・・・ こうやってまたあなたの古びた価値観の中で、無限の可能性を秘めた教師をコモディティ化しようってわけですか・・・。もうおなか一杯です。
何がだめかって・・・どうして今時「手書き」なの?
ええっと、なぜ手書きが求められるか、は、jegs internationalさんのHP の解説によると、
1.字に性格が表れるので、字を確認したい。
2.日本語教師は板書が多いので、読みやすい字かどうか確認したい。
3.一般常識を確認したい。(修正液や修正テープなどを使っていないか、など)
4.誤字脱字なく指定の書類が作成できるか、チェックしたい。
とのこと。OK — じゃ ひとつひとつ見ていきたいと思います。
1.字に性格が表れるので、字を確認したい。⇒ なんとなくわかります。<あくまでも傾向として>、荒々しい字を書く人に几帳面な人が少ないと言われたりとか。でも、いい教師と手書きの字の上手い/下手はそんなに比例しますか? 個性的な字、個性的な先生のほうが、クリエイティブで生徒の心を掴む授業をできるかもしれませんし。それに今、一般的に世の中で手書きだけで成り立つ書類ってどれだけありますか? ていうか、誰かに代筆してもらって応募してきたらどうしますか ;)??
2.日本語教師は板書が多いので、読みやすい字かどうか確認したい。 ⇒ 前にも書いたけど、板書を前提にする授業が果たしていいものなのかどうか。何かを分かりやすく説明するときにツールとしてホワイトボードを使うと考えたら、字よりもむしろ絵がうまい人のほうがいいのではないでしょうか。
⇒ だから、改め、「日本語教師は、言葉ではなく図示して説明することが多いため、分かりやすい絵かどうか確認したい。という理由で ”あげもらい(授受表現)”を説明する絵を描いて写メでお送りください。」とかのほうが断然オモシロイと思うけどな。
3.一般常識を確認したい。⇒ 修正テープ使わないで、ふりだしにもどって最初から書き直せって? そんなヒマないから! ていうか、そこじゃないでしょう? メールの書き方でも十分、一般常識が見られるのではないですか?
4.誤字脱字なく指定の書類が作成できるか、チェックしたい。 ⇒ だから、Wordで誤字脱字なく指定フォームで作って、・・・じゃだめですか? Wordがちゃんと使えるかのほうが、、、大事だとも言えるのではないでしょうか?
ていうことで、昭和の香ばしいカオリがプンプンするので、自分の中のブロックセンサーが即起動してブラウザのタブを閉じたというわけです。
ま、いずれにしろ、日本語の履歴書フォーマットをどこかのサイトからダウンロードしてプリントアウトして、「お手書きさま」で誤字脱字・修正テープなしで「お書き」して、さらにそれをスキャナで取り込んで・・・なんていう作業、全くする気、起きなかったし・・・。しかもベトナムに一人暮らしでプリンタもスキャナもなかったし。
そんなこんなで、今のセブの学校を選んだわけですが、応募前提で世の中のいろいろな日本語学校をサーチしてみるのも面白いものです。募集要項だけでもその学校の「文化・校風」みたいなものが見えてきて、ほんと、勉強になります。もしこの学校で働いたら・・・なんてシミュレーションしてみるのも楽しい。とにかく日本語学校ってたくさんあるし、よりどりみどり。
じゃ、またーー。