このテーマ、麻薬のように面白い。ほんと、ググるとざくざく知見が出てきて、思考を刺激する。金曜の夜からゆるーっと調べ初めて、今、土曜日の午後。まだ途中経過だけど、メモとして残しておこう。
見えてきたこと1: これからの教師は「知識を教える」という役割を失う。確実に。
これは賢者の方々の意見の共通項でした。テクノロジーが今の時点でまだ完全にそこに到達していないとしても、既に授業モデルとしては始まっている。ていうか教育先進国では社会全体がそっちの方向にシフトしていってるのが如実に感じられます。
勉強しようとする「知識」そのものは、教室で教師が行うのではなく、生徒が自分でAIから獲得していくもの、という考え方のトレンド。そしてもはやそれが実際に行われ始めているということ。
考えてみれば、いままでは教師からの「知識」の授与によって、生徒は学習してきたわけだけど、それが生徒自身で獲得できるしくみがあったとしたら、不安定で高コストな人間教師は非常に使い勝手が悪いということになる。
中国の研究では、教師ひとり雇う人件費の約1/50でAI教育が実施できるというシミュレーションも出ていました。特に基礎学習や反復学習などしくみがルーティーン化できるものについては、間違いなくAIのほうが断然効率がいい。
見えてきたこと2: AIによって、学習者の潜在需要を取り込める可能性が出てくる
AIは瞬時に教師の知識量と経験量を吸い込めてしまいます。つまりわれわれ日本語教師に置き換えてみれば、
- 【基礎的な知識】文法・文型の知識、類似文型、類似表現、語彙、例文ストックなど
- 【教材】ドリル、アプトプット活動、JLPTレベル別教材など
- 【最適な授業の組み立て方】生徒のレベルや理解度・進捗に合わせた授業プランなど
を一瞬でAIは吸収できてしまうだろうということ。
チェスや囲碁でAIが名人に勝利できた理由は、AIが自身の仮想対戦相手に対して1日に100万回の対局シミュレーションができたから。つまり、人間が一生かかってもできないことをAIは疲れもせずにあっという間にできてしまうんですね。<経験値の超圧縮>です。
日本語教師に置き換えてみれば、1日に100万コマの授業をシミュレーション経験するのと同じです。たとえ多様な学習者ポートフォリオの組み合わせが大量にあったとしても、AIは一瞬にして並列シミュレーションして、瞬く間に超ベテランのインテリジェント先生になれてしまうというわけです。もちろん文型や語彙などミスなくアウトプットできてしまいます。
そう考えると、経験年数が裏打ちしていた、「知識」面での厚みの部分を超圧縮できるということは、かなりの低コストで自分のデバイスからAI先生に習うことができる可能性大なわけです。
語学を習うために今までネックになっていた、コストとアクセシビリティの部分を一気に解決できれば、学習者のすそ野が広がっていくかもしれないと期待できます。
見えてきたこと3: 日本語教師は「パーソナルトレーナー」に近づいていくかもしれない
教育先進国では、AIの活用⇒ 一斉授業の衰退⇒ 学びの効率化 ⇒ パーソナライズ、という流れができている。確かに理解できる。学ぶアクションのトリガーを個々人でひくようになれば、自ずと学びそのものがパーソナライズされていくでしょう。
で、もう現時点でAIは、個々の生徒のスキル習得スピードやつまづきなどを把握することができて、個々の生徒にフィットするドリルなどの提示まで実現してしまっています。日本で使われ始めているタブレット型AI教材「Qubena」にもかなり興味を持てました。
これから、ここの「パーソナライズ」を仮説の基軸として、さらにAI時代の日本語教師の役割を勉強していきたいと思ってます。全く新しい学びのしかたに、ほんと、わくわくします!