今日、とあるWebサイトを読んでいて、ハタと気づきました。
”やっぱり学習者毎への学びプロセス・リコメンドの機能が必要になってくるかも”と。
読んでいたWebサイトは、宣伝会議 2018年2月5日掲載 りょかちさんが書かれた記事 「決めてくれ」病のワカモノたちに効く、「決めてあげる」モノづくりの工夫(https://www.advertimes.com/20180205/article265403/)
求めているのは特定の音楽や映画ではなく、「アガる瞬間」なのです。だからこそ、なんとなく見ていても自分が「アガる」可能性が高いコンテンツを教えてくれるレコメンドは、エンターテイメントを楽しむハードルを下げるのです。
本当にその通りだと思います。日本語学習にコンパイルすると、特定の教科書や教材よりも、学んでいくプロセスに興味を覚えて思わずチャレンジしたくなる、という”Spotifyのプレイリスト的リコメンド”が、近い将来、必要になってくるだろうなと感じています。
それでなくとも、教科書や教材、問題集などの類は紙ベース、デジタルに関わらず夥しい数が存在しています。ですので、プレイリスト的整理とリコメンド化は(特にエントリー時の)学習者にとって安心して再生できる学びの空間に成りえるかもしれません。
■ 例えば、モチベーションを上げるための楽しい工夫も入れてみる
「決めてあげる」ということが大きな価値になる。パッケージがかわいくて見るだけでテンションがあがる!というよりも、実際にどんなインテリアの中に置けば可愛いのかを写真で見たいし、「にんじん 料理」なんて検索するほど頭のなかに食べたいものなんてない。「にんじんを使ったこの料理をつくりたい!」というモチベーションづくりからお願いしたい。
プレイリストの中には、単なる教材や練習問題があるだけでなく、学習者のモチベーションをあげる仕組みが、ちょこちょこと入っていてもいい。ゲームのようにマイルストーン毎に楽しめるもの。
例えば、
- 『この表現を使って、日本人のSNS友を増やしてみよう!』とかで、LINEスタンプと表現のセットをライブラリ表示してみたり、
- 『日本人ぽく聞こえる独り言にチャレンジ × 20選』で、シャドウイング音源を併せて提供してみたり、
- 『これだけはマスターしよう、鉄板のあいづち5分猛特訓』で、模擬あいづちを一緒に練習できるYouTubeコンテンツを提供したり、など
学習者をもう1ステップ近づけて、日本語の学び体験をよりアガるものにしてあげられる仕掛けも楽しいと思います。
■ 誰がやる?
これをフォロワーがたくさんいるインフルエンサーの日本語教師ができたら最強だと思います。どんなプレイリストか、よりも、誰がコーディネートしたプレイリストなのかのほうが価値があるからです。
今年のお正月に書いたエントリー(初夢2018 – 海外日本語学習の近未来)では、自分でもこのように書きましたが、
基本的に教室に紙はない。教科書のコンテンツはひとつひとつの会話や練習がデジタルパーツになっており、教師が予めプレイリストを作るように編集しておくことができる。
単に教科書を超えて、もっと細かい単位で学びコンテンツがたくさん集められたリコメンドが作れるはずです。
で、もちろんこのソムリエ的なリコメンドも将来的にはある程度AIが行っている可能性が高いでしょう。
でもそこまで行きつく前にAIが学習するためのデータが必要です。
ぼくは、それを<外国人の学習者にやってもらえたら>と思っています。つまり、世界に点在する自律学習者に学んだプロセスをプレイリスト化してもらい、個々のベストプラクティスをリコメンドとして公開・共有してくれたらと思うのです。
いつでもユーザー体験は強力です。メーカーはユーザーの体験やケーススタディから学びます。教師も生徒から学びます。
教師の誰かが必死に学習者からヒアリングしてまとめていくのではなく、個々の学習者にプレイリストを自由にアップロードしてもらえるようなプラットフォームづくりができたら面白いな、と思います。・・・ やろうかな? ・・・ じゃ、またーー。