模擬授業:「みん日 問題7」を聴解素材としてリサイクル活用

Min nichi II

先週、セブの日本語教師勉強会で模擬授業を行いました。テーマは「みんなの日本語 問題7 を活用した聴解授業」です。

そもそもこの試みをしたのは、まだベトナムの日本語学校で働いているときで、学習者がこの「問題7」を<答えを見つけるだけで>さらっと流してしまい、内容をよく読んでいないということに気づいたからです。

みん日は良くも悪くも文型シラバスばりばりの教科書なので、当然、問題も文型を意識したドリルで占められていて、最後の問題7はその集大成としての短い読み物になっています。

しかしながら、ベトナムでも、またセブでも周囲の日本語教師に聞いて回ったところ、ほとんどの教師の方々からは「問題はほぼ自習(宿題)にしている。特に問題7は時間がかかるので、授業では扱わない」という意見が大半でした。

■ インプットの量を増やすために、問題7をリサイクル活用

みん日を使ったことのある教師の方々ならお分かりいただけると思うのですが、授業でよく口頭練習する「例文」や「会話」は、「例文=Q&A」、「会話= 文字通り、会話」であったりするので、<やりとり>ベースで構成されています。

情報を読み取る訓練としての読み物は、教科書ではこの問題7と副教材の「初級で読めるトピック」しかありません。

ただ、これを単に読解ドリルとして(そして自習宿題として)終わらせてしまうのはもったいないな、と。せっかく該当文型が満載の読み物(インプット洪水)なんだったら、もっといろいろな角度から使いこんでみたいな、と思ったわけです。

最初は音読練習するだけでしたが、内容に関して口頭Q&Aする練習もしたいなと思い、さらに文字を見ないでリスニングとして使ったらもっといいんじゃないか、となり、最終的にリスニングとリーディングを組み合わせたアクティビティへと発展していきました。

これが結果、「理解可能なインプット」を増やすことへとつながったのです。

■ 使い勝手の良い、問題7

L38-1

スライドにまとめていますが、問題7は非常に使い勝手のよい読み物です。特に語彙や文型に関して補足することなくそのまま使えるので、理解可能なインプットとして<すぐに>授業で使えます。また、音読や穴埋め問題として加工するのにも程よい長さです。学習者のキャパを超えることなく扱える「お宝素材」なのです。

では、実際に簡単に模擬授業を行ってみたいと思います。

■ 授業の流れ例

L38-2

T: じゃ、教科書を閉じてくださいー!(スライドかWB手書きで、True or False を提示)

>> 全員でTrue or Falseを読む、誰かに読んでもらう、または講師が読む

L38 ToF

T: これから文章を2回読みます。ナチュラルスピードで読みますから、ちょっと早いかもしれませんよ。メモをとってもいいですよ。じゃ、読みます。(1回読み、True or False どうですか? と反応をうかがいながら、2回目音読)

何回かこの取り組みを続けていくと、自然とノートテイキングを自分なりにするようになってきます。

T: じゃ、答え合わせしましょう。(ひとつひとつ全員で確認していく)

T: じゃ、次に、ペアでQ&Aをしましょう。(~さんはA、~さんはB、というふうにペア毎に異なる質問カードを配っていく)

T: AさんとBさんは、それぞれ違う質問を持っていますから、お互いにペアで質問してくださいー。

L38 QA

机間巡視します。でも、だいたいこの段階で100%答えられるケースはありません。答えられないからこそ良くて、次に聴くときにその答えられなかった部分に意識が集中するのでリスニング効果が高まります。

T: じゃ、最後にもう一度だけ読みます。(3回目音読 ※この段階で「理解可能なインプット」の量をかなり確保していることになります)⇒ そして答え合わせします。

T: じゃ、これから穴埋めの問題を配りますから、文章を完成させてください。

今までは<意味・内容を重視した取り組み>でした。ただこれだけでは不十分なので、穴埋め問題で実際の文章を読んでいく際、きちんと<文法処理>を施します。つまりその該当課で取りあげている文型や重要な接続詞、副詞などを書き込んでもらうことで<文法・文型を意識した取り組み>を併せて行います。

T: 終わったら紙をペアで交換して、教科書を開いて自分で答えをチェックしてください。

間違った部分は、より記憶に残り、今後「予測文法」を養っていく上で非常に有効だと感じています。

T: じゃ、ペアで一度読んで終わりにしましょう。(必ず自分の声で読んでいくことを最後に行います)

■ まとめ

今まで実際授業で何度かやってみて、いずれも手応えのあるアクティビティになったと実感しています。その後、発展した活動につなげたこともありますし、テストの題材として採用・実施したこともあります。

みん日の練習問題は、練習B(パターン・プラクティス)、練習C(短い代入会話練習)、問題(リスニングと文法ドリル)なので、<ある程度まとまった文章から情報を読み取る>練習としての「問題7」はとても貴重だと感じています。

これをオーディオブックのように聴解素材として再利用することで、<聞き取る/書き取る/読み取る>まで簡単に発展させられるので、内容に応じてぜひこれからも積極的にリサイクル活用していきたいと思っています。 じゃ、またーー。

 

 

 

 

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