Googleフォトアルバムでつくる、台本のないやりとり。そして自然に広がる『教室』。#日本語授業メモ

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どうも、ぬの★セブです。

何かを「つくること」って本当に楽しいですよね。発想した何かについて、実際自分の手を動かして、試行錯誤しながら何らかの形にして、できあがったものを共有(公開)する(範囲の濃淡はあるにせよ・・・)。

それは絵画、イラスト、彫刻でも、詩でも小説でも、音楽でも映画でも、建築や日曜大工でも、料理でもイベントでもアクセサリーでも、そして動画やインスタのストーリー、noteやこのようなブログでさえも、やっぱり「つくること」を通して得た充実感ほど代えがたいものはないかもしれません。

そもそも、夢中になれる(没頭できる)からこそ楽しいし、続くのです。そして自分のつくったものが、少しでも誰かの役に立てたら(共感してもらうことができたら)また次、何かをつくる動機づけにもつながります。

そしてそのつくるプロセス《経験》から得た学びはとても深く豊かで、自分にとってずっと意味のあるものであり続けるのだと思います。

もしそうだとしたら、この「つくること」をうまく語学に活かせないかとこのところずっと考えています。

今まであれこれ考えて行ってきた日本語の授業でも、振り返ってみるとやっぱり生徒に《つくる体験》をしてもらった言語活動が、彼らは一番記憶に残っているし、暗記でない学びとして身に付いていると感じます。

今日は最近のさまざまな活動の中で、手軽に楽しく準備できて、かつ生徒と活きたやりとりができる《つくる活動》として、Googleフォトアルバムの作成・共有の活動事例を紹介したいと思います。

楽しい授業準備

Googleフォトアルバムは、ほんとうに誰でも使える、簡単なアプリですので、特に使い方の説明は必要ないかと思います。

授業で使うテーマを何か設定して、クラウド上に保存されているGoogleフォトをいくつか選んで、新しくアルバムを作ります。そして「i (またはInfo)」の部分に、学習者向けに日本語で説明を入れていきます。習ったばかりの漢字や表現、また敢えて未習の表現を入れてもおもしろいと思います。なるべく5W1Hを入れながら、適度な長さで。写真5枚程度。

(ちなみにこの作業、ぼくにとっては本当に楽しいひとときです!また、リアルに自分が撮った写真だから自分にとっても意味があるし、ディテールを書けるのです。)

終わったら「共有」をクリックして、そのリンクをコピー⇒共有するだけです(リンクを知っている人だけに公開)。ぼくの場合は、Googleクラスルームの「課題」や「ストリーム」で簡単にコメントをつけて共有します。⇒ Done!

授業中はライブ感覚を大切に!

授業中は、J-POPなどBGMとしてかけながら、《楽しく》活動してもらいます。まず、「i(Info)」をちゃんと読んでもらうのが大事なのですが、意外にみんなちゃんと(辞書引きながら)読みます。講師(ぼく)が書いたこと=写真の内容を知りたいので、興味津々なんですね。

そして、一番大事なのは、ライブ感覚です。少しずつ生徒がコメントを入れてきますので、ぼくは【すぐさま】そこに反応します。するとその反応を読んで、また生徒が反応する。また別の生徒も反応する、といういいループが続いていきます。

例えば、↓これは、ぼくが日本の長崎を旅行した時に撮った写真の数々です。フィリピンはカトリック教徒が多いので、大浦天主堂の写真などにはとても興味を示し、「わたしも行ってみたいです」「東京からどのくらいかかりますか」など(初級でも)たくさんコメントが入ってきました。

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そして、進み具合や様子を見ながら、さらに【その場で】写真を説明とともに2~3枚追加していきます。全て見てコメントもした生徒に対しても、その追加分を読んでもらいます。漢字や語彙・表現などで少し負荷をかけて「読む練習」にフォーカスしてもらうのもいいかもしれません。

こうして、ぼくが作ったアルバムが生徒との「共有アルバム」として成長していきます。日常のSNSと同様、ぼくがコメントに返信すると生徒はみな喜びますが、もちろん作ったぼく自身も生徒のLikeやコメントは嬉しいものです。

ここで生徒が書いた日本語こそ、本当に身に付いている日本語

もうひとつ、「担任の教師」として得るものとしては、《ここで生徒たちが使っている日本語こそが、本当に彼らに身に付いている日本語なのだ》と知れることがあります。

教科書のダイアローグもロールプレイなどの役割も関係ない、素のままの個人としての写真へのコメント。しかも作文授業のようにしっかりと練りこんだものでもない、彼らからその場で自然に出てきた日本語。

これをリアルタイムに知ることができるわけです。台本のないやりとりの中で。すると、どんな表現を使いこなせているか(またはいないか)がよくわかり、次の授業へとつながります。

そして、生徒自身にGoogleフォトアルバムを作ってもらう

ひととおり講師のアルバムの日本語の書き方(見本、デモ)に慣れたあとは、実際生徒にフォトアルバムを作ってもらいます。

ぼくは実際に授業中につくってもらいましたが、生徒たちはほんとうに楽しそうでした。まさに「つくる」体験です。写真を選ぶところから「みんなとこれを共有したい!」という視点で選ぶので、説明を書いてクラスメート全員と共有するところまで含めて、とても能動的です。

そして、その場ですぐ反応があることが大きいです。これが(多くのSNSと同様)モチベーションへつながってきます。

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鉛筆で書く作文の課題などは、よほどお膳立てをしっかりして動機づけできていないと、授業として「書かされる感」満載になりますが、自分が撮った写真を(説明を加えて)スマホから共有するというのは、ふだん彼らがFacebookやインスタでやっている日常そのもの。

つまり、「日本語を使ってみる」という行為が日常生活の過程の一部に入った状態で、しかもそれが「アルバム」をつくるという取り組みを通じてなされるものです。「つくることから日本語を学ぶ」にもつながってきます。

そしてこの、自分が選んだ写真と自分で書いた説明、まわりからのLikeとコメントが入ってくるフォトアルバムは、実は生徒が「自分自身でつくった教材」でもあるのです。自分でつくりながら日本語を学び、もらったコメントを読んでまた学べる最強の自作教材です。

もう既に気づかれているかもしれませんが、Google フォト=クラウド上のサービスなので、別に教室授業でなくてもできる活動です。実際、ぼくや生徒のフォトアルバムは(もちろん了承を得たうえで)他のクラスの生徒や卒業生とも共有していて、日々、随時Likeとコメントが入ってきます。

まず学校内ローカルで、教室の壁が溶けてネット上に拡張された感じとなり、今後、本格的に『セブの外の学校や他国や日本』とつながる準備練習にもつながっています。

さいごに

Googleフォトに限らず、使い方が簡単で手間がかからない無料のアプリは今ほんとうにたくさんあります。これからもあれこれ試しながら、「生徒に経験してもらうこと」「生徒につくってもらい、共有してもらうこと」から日本語の学びを加速する仕組みを探究し続けたいと思っています。

特に、膨大にある日本語文型を片っ端から覚えたり、JLPT対策学習をしたり、というそのものが目的化するのではなく、「自分が成し遂げたいこと、そのために知ること、学ぶこと」の積み重ねが先にあって、その結果、総合的な日本語力につながっていく - そんな感じの日本語サポートができたらと思うのです。

さいごに、ジョン・デューイのことばを引いて、終わりにしたいと思います!

もし学習の過程において、個人がほかならぬ自分自身の魂を失うならば、さらにまた学んだことを適用したいという願望を失うならば、とりわけこれから起こるであろう未来の経験から意味を引き出す能力を失うならば、地理や歴史について規定されている知識量を獲得したところで、また読み書きの能力を獲得したところで、それが何の役に立つというのであろうか。

経験と教育(ジョン・デューイ)

じゃ、またーー。

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